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GOKIGEN Life

奥会津

福島県大沼郡三島町



山と共に生きる民芸の里。

福島県の西部に位置し、只見川沿いにある山間の町。
会津桐の産地として有名なこの町は、18カ所に集落が点在し、冬には積雪が2mを超える豪雪地帯です。山の枝・草・つるを活かした「編み組細工」の職人さんたちが多く暮らす民芸の里でもあり、マタギ文化が残り、山と共に生きる昔ながらの暮らしがしっかりと根付いています。

暮らしに必要な道具を自分たちの手で作り出す。山菜やキノコ、熊肉など食べものを山に採りに行く。自然と暮らしの循環を守るために棚田のある美しい景観を遺す。
そんな知恵と技に出会える里です。


「ここで一人で作業していると、山ブドウがしゃべる。じいちゃじいちゃと声をかけてくる。」

(80代・編み組細工職人)

ここに暮らす誰もがやっているのがものづくり。
生活に必要なものは山から材料を採ってきて、見事に暮らしを支える道具に仕立てていきます。
中でも山ブドウやヒロロ、マタタビといった枝・草・つるを活かした「編み組細工」は三島町を代表する生活工芸。
ある職人さんは材料である山ブドウとの会話を楽しんでいらっしゃいます。
また、ある職人さんは、「ものづくりで一番大切なことは妥協しないこと、材料を大切にすること、楽しんでやること。試行錯誤しなくなったらおしまい。」と。
編み組細工には、この地の暮らしの背景や職人さんたちの生き様が詰まっています。

「何もせず、ただ残すことだけが自然を守ることではない。」

(60代・農家)

山あいの集落の一番奥で田んぼをやっている方がいらっしゃいます。
棚田がある景色を遺したいと、町外の方々の協力も得ながら米づくりに取り組んでいます。
昔は各家で米の収穫時に出る稲藁(いなわら)から、草鞋(わらじ)やござや蓑(みの)などの生活必需品を作り、サイノカミと呼ばれる正月の伝統行事にも各家が藁を持ち寄っていたそうです。
自然と暮らしと文化の循環をテーマに活動する彼は次のように続けました。
「昔は木を20~30年周期で切って薪や炭にしていた。そこには循環があった。里山は人が手を入れてこそ守られる。」

「見返りを求めない“結(ゆい)”の精神がある。」

(60代・編み組細工職人)

この地域の方々の気質は?の問いに山間部に暮らす職人さんにこう答えていただきました。
機械化により昔ほどではないにしろ、今でも米作りは協働で作業を行う家も多いとのこと。
昔は冬に困った人がいればみんなでソリで町まで運んだエピソードも添えてくれました。
よそ者に対して親切な方が多いのは、「山暮らしをしているから根性が純粋だから。」だそう。
「ここの良さは昔のままであること。食べものや清水が美味しい。」
このことも地域の方々の気質を形作るのにどうやら無関係ではなさそうです。

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