利賀
富山県南砺市
獅子魂がこだまする山里。
富山県の南西部に位置し、標高1,000mを越える山々に囲まれた人口500人ほどの小さな村。
村内で作られるそばを使った「そば祭り」や、演劇の聖地として世界各地から劇団が集う「世界演劇祭SCOTサマーシーズン」など、活気あふれる催しが毎年開かれています。
これらの行事に村外から多くの若者がボランティア参加するなど、外に開かれたなんとも愉快で不思議な村です。
春に村内各地で行われる「獅子舞」は江戸時代から続く伝統的なもので、五穀豊穣などの思いを込めて、笛の音、太鼓の響きにあわせて獅子舞があちこちで盛大に行われます。大獅子(むかで獅子)や小獅子(夫婦獅子)など、地区によって特色ある獅子が朝から晩まで舞い踊り、村の方々の心意気を感じられます。
「お宮さんで舞う時が一番緊張します。神様が見ていますから。」
(30代・獅子方)
毎年春に村内各地で盛大に行われる獅子舞。村外に出ていた20~30代の方々もこの時期には村に戻り、小さい頃から愛着のある獅子舞の稽古に真剣に向き合います。
厳かで力強い獅子舞を通じて、仲間たちとの絆を確かめ合う大事な時間となっているようです。
「獅子頭は重くて大変だけど、途中でさぼったり頭を下げてしまうなんてことは一度もないです。
それは自分の中の‟獅子魂“が許さないです。」
30代の獅子方の口から出た、「神様が見ている」「獅子魂」。
この二つの言葉には、目に見えない存在としての神様を感じ、全身を躍らせて嬉々として奉納する謙虚さと心意気がぎゅっと詰まっています。
「雪国の山菜は太い。雪が重しになり、春になりエネルギーがどっと出る。」
(60代・農家)
冬、利賀村は一面の銀世界に。
長い冬の間に雪の下でじっとしていた山菜たちは、春になると一斉に芽吹きます。
かつて村人たちも冬は出稼ぎに出ることが多く、雪解けで帰ってくる時期に獅子舞を嬉々として舞っていたそうです。自然も人も春はいのちが輝くとき、一年の始まり。
そして、田植えの時期になるとあちこちから民謡が聴こえ、暮らしの中に唄があったそうです。
「一番苦労してきたのは土にふれてきた人たち。」
「暮らしの知恵をちゃんと遺していかないと。」
そう語る農家さんの姿はたくましい。
「おれは利賀村を離れない。ここで子どもたちに生きる力を養ってほしい。
その見本となる背中を見せたいんだ。」
(30代・農家)
高校がないこの村では、多くの若者が村外の高校に通い、卒業とともによその町で就職をしていきます。幼なじみたちが村を出ていく中、地元を離れない決意をした若者。
彼は畑を耕し、獅子舞に命を懸け、村内外の人をつなぐパイプ役として活躍しています。
「一緒に汗をかけば、そこに感動が生まれる。」
「この地域はウルトラマンばかり。自分がなんとかしなければ、という人ばかり。自分もウルトラマンとしての背中を見せてくれた先輩たちのようになりたい。」
若い力が利賀に新しい息吹を吹き込んでいます。
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