GOKIGEN Life

2020/10/20 12:00



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【ごきげん暮らし便り】とは
毎月1日にGOKIGEN Nipponの代表 北原太志郎がジャーナルを投稿します。そこで浮かんでくる問いのようなものを受けて、さらに他の寄稿者が発信をします。ちょっとした文通のような、ご縁がつなぐ企画です。(毎月1日、10日、20日に更新)

▼今月の北原太志郎のジャーナル
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私は大学生の頃、ある一本の映画と出会いました。
今は亡き竹内結子さん主演の
「天国の本屋 ~恋火~」

日本の伝統的なモノづくりをしたいと進路を悩んでいた時、
劇中に登場した花火師の姿に憧れ
花火の世界で生きようと決意しました。

花火は芸術・エンターテインメントの世界。
技術を磨き、より美しい花火を作り、
お客様を喜んでもらう為、花火作りに勤しむ日々。

そんななか東日本大震災をキッカケに私の花火人生は大きく変わることになりました。
花火の原点は飢餓による犠牲者への慰霊、悪疫退散の祈念にある。
そこに立ち返り、花火の本質である「祓い」と「祈り」をテーマに「和火」を打ち上げたい!
そう思うようになり、2014年に会社を辞め独立しました。

そもそも和火とは何かという話になると思うのですが、
和火は、江戸時代から伝わる日本の伝統花火の総称で、
赤褐色の炭火の尾を引くシンプルな花火。
決して華やかではないが、じんわりと心が穏やかに、暖かい気持ちになる。
不思議な魅力をもった花火です。
「祓い」と「祈り」の花火には和火以外考えられない、そう直感しました。

その直感を確信に変えるべく模索していたある時、
GOKIGEN Nippon 旅企画 「清内路&大鹿村への旅 ~300年受け継がれる手づくり花火と農村歌舞伎で、村人の心意気にふれる~」に誘っていただきました。
300年近く受け継がれてきた清内路の花火には、自然への畏敬の念、五穀豊穣の祈念、
花火を通して形成されたコミュニティがり、まさに私が求めていた「祈り」を感じることができました。

「祈り」というのは、はるか昔、縄文の時代からあると言われています。
現代社会では情報が多く、見えにくくなっていますが、
すごくシンプルなものだったのかなと私は思います。

例えば、

いかなる恐れも抱かぬまま、
美味しい空気を吸い、
美味しいお水を飲み、
畑を耕し、狩りをし、
家族と共に笑顔で暮らせるように。

このような祈りが、はるか昔から脈々と受け継がれているのかもしれない。
そして私自身も子供や孫、未来を生きる子供たちにそうあってもらいたい。

花火は「祓い」の力を持った「祈り」のシンボル。

心身ともに祓い清め、
清浄な心で本当に大切なものを祈る。
そこにはいつもシンボルとして和火があり、
そんなシーンが連綿と受け継がれることを願い、
これからも全国各地で和火を打ち上げて回りたいと思っています。



私は「祈り」という線の上で生きる。
「あなたはどんな“線”の上を生きていますか?」

和火師 佐々木厳


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名前:佐々木厳
所縁のある地域:山梨県西八代郡市川三郷町
プロフィール:1984年11月7日 埼玉県川口市生まれ。
血液型A型
2006年駒沢大学経済学部卒業
花火の持つ魅力に惹かれ花火の道に。
2007年山梨県の老舗花火会社に勤務
製造から打ち上げまで6年間の経験を積む。
2014年日本の伝統花火「和火」に惹かれ独立。
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