GOKIGEN Life

2021/02/01 12:00


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【ごきげん暮らし便り】とは
毎月1日にGOKIGEN Nipponの代表 北原太志郎が日々の暮らしの中で感じたことを投稿します。
そこで浮かんでくる問いかけのようなものを受けて、さらにゲストの方が発信をします。
ちょっとした文通のような、ご縁がつなぐ企画です。(毎月1日、15日に更新)
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先日、わが家の中庭に生えていたヒバの木を1本切り倒した。
兄弟のようにして3本立っていたうちの、真ん中の1本が視界から消えた。
するとどうだろう、その木の向こうはるか遠くに南信州の山々が姿を現した。

もちろん山は突然現れたのではなく、昔からそこにあり続けている。
近くのヒバに目が行き、遠くの山に視線が注がれていなかっただけのことである。

それでも、1本のヒバが消えたら、遠くの山が現れた。
この風景の変化は新鮮だった。

もうひとつ、わが家の裏にはちょっとしたヒノキの森がある。
昔はうっそうとして昼でも薄暗く、子どもの頃は不気味で近寄りがたい空間だった。
大人になって、この森に足を踏み入れ始めた。よく見ると、たくさんの種類の木が育っており、鳥のさえずりやタヌキやキツネの姿もたまに見かけるようになった。

不気味な森が、豊かな森へと変化した。
いや、変化したのは森自体ではなく、自分の見方が変わったのだ。
最近、この森の一角に生い茂った笹やぶを刈り始めた。
するとどうだろう、森に光が入り、はるか向こうの南アルプスが望めるようになった。

笹が消えたら、遠くのアルプスが現れた。
またしても当たり前だった風景に変化が起きた。

ぼくたちは普段たくさんの風景を目にしている。日々の暮らしの中では、当たり前すぎて意識にすらのぼらない風景がほとんどだろう。そこに少し手を加えてみる、眺める場所を変えてみる。そんなちょっとしたことで、新しい風景が立ち現れてくる。

変わらない風景も素敵だが、風景はつくり出せることも知っていると、世の中がもっと楽しくなる。

先ほどの笹やぶはジャングルのように広がっており、刈り切るにはまだまだ時間がかかりそうだ。それでも、立ち現れるであろう新たな風景を楽しみに、今日もノコギリを持って笹やぶに分け入っていく。


「あなたはどんな風景をつくり出したいですか?」


GOKIGEN Nippon 代表 北原太志郎




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名前:北原太志郎(だいしろー)
所縁のある地域:長野県松川町、東京都板橋区・葛飾区、北海道札幌市、カタール国ドーハ

GOKIGEN Nippon代表
1980年 長野県松川町生まれ。
北海道大学文学部卒業後、日本赤十字社に就職し、資金調達事業や青少年育成事業に携わる。
地域活性のコンサル会社に転職し、東京の品川宿のまちづくり事業を担当する。
30歳で東京生活に区切りを付けて生まれ故郷にUターン。飯田市観光課職員として、リニアでつながる飯田と品川の交流プロジェクトを立ち上げる。
7年間の市役所勤務後に独立。GOKIGEN Nipponの構想実現に向けて奮闘しつつ、地元松川町の観光地域づくり会社で滞在交流型プログラムの企画造成にも携わっている。
人生のモットーは、「日本人として生き、日本のこころを未来へ届ける」。
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