GOKIGEN Life

2020/11/02 23:39


-----------------------------------
【ごきげん暮らし便り】とは
毎月1日にGOKIGEN Nipponの代表 北原太志郎がジャーナルを投稿します。そこで浮かんでくる問いのようなものを受けて、さらに他の寄稿者が発信をします。ちょっとした文通のような、ご縁がつなぐ企画です。(毎月1日、10日、20日に更新)
-----------------------------------

「世の中のスピードが速くなればなるほど、ここはスピードを落としていく。そんな場所
であり続けたいです。」

そうつぶやいたのは、地元、長野県松川町にあるお寺の住職。
時代とともに人々の生活や街並みが変化していく中で、「変わらないこと」を大切にされていた。この時代、この場所での立ち位置が明確で、素直に「かっこいい」と思った。
変わらないからこそ、風景を構成するひとつの存在になりうる。

もう一人、身近にそんな存在の人がいる。
今年103歳になる祖母だ。先祖が残してくれた古民家に田畑に森。東京で生活していたとき、僕にとって生家の風景は憧れだった。そこに一人で暮らす祖母の姿には、「いつかはここへ帰りたい」と思わせる絶対の安心感があった。毎朝仏壇に手を合わせ、田畑で採れた米や野菜を食し、裏山の木を囲炉裏にくべ、おき火を使って掘りごたつの暖を取り、お風呂は薪で焚く。変わらない暮らしを続けているからこそにじみ出るもの。

お寺の住職も、祖母も、まさに風景にとけこんでいた。

さて、自分はどうか。
憧れだった故郷に帰ってからはや9年。最近になってようやくほんの少しずつではあるが、米づくりや畑での作業、森の手入れなどをし始めた。もちろん風景への「とけこみ度」はまだまだ祖母の足元にもおよばない。それでも、目指したい暮らしの輪郭が少しずつ見えてきている。

ここでの風景にとけこむ。
そのために、今日も土にふれ、風を感じ、手足を動かしていきたい。


「あなたはどんな風景にとけこみたいですか?」


GOKIGEN Nippon 代表 北原 太志郎

-----------------------------------

名前:北原太志郎(だいしろー)
所縁のある地域:長野県松川町

GOKIGEN Nippon代表
1980年 長野県松川町生まれ。
北海道大学文学部卒業後、日本赤十字社に就職し、資金調達事業や青少年育成事業に携わる。
地域活性のコンサル会社に転職し、東京の品川宿のまちづくり事業を担当する。
30歳で東京生活に区切りを付けて生まれ故郷にUターン。飯田市観光課職員として、リニアでつながる飯田と品川の交流プロジェクトを立ち上げる。
7年間の市役所勤務後に独立。GOKIGEN Nipponの構想実現に向けて奮闘しつつ、地元松川町の観光地域づくり会社で滞在交流型プログラムの企画造成にも携わっている。
人生のモットーは、「日本人として生き、日本のこころを未来へ届ける」。
-----------------------------------