2020/10/17 10:00
富山県南砺市利賀村を最初に訪れたのは、2018年のクリスマスの時期だったと思う。
GOKIGEN Nipponの代表だいしろーさんと男2人で旅企画の説明とご挨拶に行ったのが初めてだった。
クリスマスの時期と書いた通り季節は冬で、南国出身のもやしっ子にはかなり寒く感じた覚えがある。
一泊二日で挨拶周りをさせてもらったのだが、時期が時期ということもあり、一泊目の夜は地元の方々のクリスマス会にこっそり混ぜてもらった。
利賀村は人口480人ほどらしいが、クリスマス会にいる子ども達が多くて驚いたのを覚えている。
二日目の朝、地元の方々への挨拶の道中、辺りを見ると裸だった木々に降り積もった雪が、太陽の光に照らされて輝いて見えた。
ものすごくシンプルに綺麗だと思った。
空気が澄み切っていて、木々に積もった雪が光を反射して、とにかく綺麗で清々しい気持ちになったのを今でも鮮明に覚えている。
利賀村に行って感動したことが3つあるのだが、そのうちの1つである。
次に感動したのは、5月のゴールデンウィークに『獅子舞』のお手伝いをしに行った時だった。
南砺市では、古くから、毎年この時期に獅子舞をやっており、1日かけて村の家々を周っていくちょっぴりハードで伝統的なお祭りである。
その先導役になる旗持ちを手伝わせていただいた。
道中、獅子舞の中に入って舞う、舞手の人たちと会話していた時に2つ目の感動があった。
「獅子舞の魅力ってなんですか?」
実際にこの様な質問や言い回しだったかは正直定かではないが、そのようなことを純然たる興味で聞いた時だった。
「改めて聞かれると分からんけど、これ(獅子舞)が『生きがい』だからなぁ」
こちらも言い回しは定かではないが、この『生きがい』という言葉を、本当に何気なくさらっと使ったことにひどく感動した。
生きがいを辞書で引くと、
「人生の意味や価値など、人の生を鼓舞し、その人の生を根拠づけるものを広く指す」
などと書いてある。
書いてある通り、人生の意味や価値という重いテーマだと個人的には思っていた。
僕が感動した理由は、『生きがい』という言葉を本当に当たり前の様に、特に迷うこともなく使うことができる人がいるということと、それだけの魅力を持つものが『獅子舞』なのだという獅子舞の存在感を感じたからだ。
客観的に見れば獅子舞は伝統の一つかもしれないけど、その人にとって見れば生きる意味の一つ。
こうやって獅子舞を舞うことが幸せの一つであると確信している姿を見ることは、利賀村を好きになる理由として十分すぎるものだった。
一日かけて村を周り終えると、その日の晩は打ち上げで地元の方々と交流をさせてもらった。
自分の勝手なイメージだが、伝統を守る人たちというのは、規律を守り、厳しい人が多いイメージだったが、全然そんなことはなく、皆さん優しい方々だった。
そういった人の温かさが利賀村で感動した3つ目の出来事である。
利賀村に行って本当に良かった。
雪と獅子舞と人と。
利賀村は、寒くて厳しいが、美しい冬を越えて、
伝統とも生きがいともなる、獅子舞が春に舞う。
そうした環境で育った心温かい人たちが迎え入れてくれる場所だった。
瀬戸口 稜二
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名前:瀬戸口 稜二
所縁のある地域:宮崎県都城市、広島県東広島市、広島県広島市、東京都、富山県南砺市利賀村
1992年 宮崎県生まれ
高校までを宮崎で過ごし、大学から社会人2年の間を広島で過ごす。
その後転職を機に東京に上京しGOKIGEN Nipponに出会う。
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