GOKIGEN Life

2020/09/01 12:00


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【ごきげん暮らし便り】とは
毎月1日にGOKIGEN Nipponの代表 北原太志郎がジャーナルを投稿します。そこで浮かんでくる問いのようなものを受けて、さらに他の寄稿者が発信をします。ちょっとした文通のような、ご縁がつなぐ企画です。(毎月1日、10日、20日に更新)
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「あなたが『その土地の人と一緒に汗をかきたい』と思えるところはどこですか?」
知人からのこの問いかけが、移住の決め手となった。

30歳、独身、東京暮らし。
仕事やプライベートがうまくいかず、向かうべき明日が見えずに悩みもがき苦しんでいた時期。
「自分が汗をかきたいところ…そうだ、生まれ故郷に帰ろう…」
素直にそう思い立ち、25年間の東京生活に区切りをつけ、長野県にある故郷へUターンした。

降り立った故郷では新しいことだらけだった。
自治会や隣組の活動、神社の掃除当番、井水の管理、伝統芸能の獅子舞の保存会、消防団…
「のんびりゆったり田舎暮らし」なんて、都会の羨望が生み出した妄想にすぎないのでは⁉
というくらい、一人ひとりが担う役割があまりに多く、暮らすことに忙しい日々。
「仕事だけがんばります」が通用しない世界。

自分が属するのは「家庭と職場」だけだったのが、「家庭と地域と職場」があっての暮らしに変わった。

そう、移住して変わったのは自分自身の意識。
この地域には、昔から変わらない自然環境があり、地域コミュニティがあり、行事やしきたりがある。移ろい来た者がそこで住み生きていくには、変わらないそれらに順応していくための「自らの変化」が求められる。

その地にあるものを尊重してまずは受け入れる。
変わらないものを受け入れるために自らが変わっていく。
一方で時代の流れの中で地域にも変化が訪れ、逆に自分の中の変わらないものも見えてくる。
変わらないものと変わっていくもの。
地域と自分。ぐるぐるぐるぐる…

この間で揺れ動きながら生きていくおもしろさが、移ろい住まう先にはある。


あなたが今、汗をかいているのはどんなところですか?


北原太志郎




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名前:北原太志郎(だいしろー)
所縁のある地域:長野県松川町

GOKIGEN Nippon代表
1980年 長野県松川町生まれ。
北海道大学文学部卒業後、日本赤十字社に就職し、資金調達事業や青少年育成事業に携わる。
地域活性のコンサル会社に転職し、東京の品川宿のまちづくり事業を担当する。
30歳で東京生活に区切りを付けて生まれ故郷にUターン。飯田市観光課職員として、リニアでつながる飯田と品川の交流プロジェクトを立ち上げる。
7年間の市役所勤務後に独立。GOKIGEN Nipponの構想実現に向けて奮闘しつつ、地元松川町の観光地域づくり会社で滞在交流型プログラムの企画造成にも携わっている。
人生のモットーは、「日本人として生き、日本のこころを未来へ届ける」。
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