2020/07/07 12:45
わたしは生きているうちに、できるだけ多くの暮らしの在り様をみてみたい。
できれば観光じゃなくて、そこに住む人たちの日常をみたい。
17歳、アメリカに1年ホームステイしたとき、ほとんど何もかもが日本とちがっていた。
目の前の日常に、毎日ひどく高揚した。
「あぁ、あぶなかった、こんな世界があることを知らずに死ぬところだった…!」
そんな風に思った。
いつか世界中を旅したいという夢をもった。
日本に帰国した直後、生まれ育った東京を離れ、熊本の阿蘇に引っ越すことになった。
高校卒業まで残り半年ほど。大好きだった学校、友達。
知り合いのまったくいない田舎、ぼっとん便所付きの見知らぬ古民家。
行きたい訳がなかった。
気付けば、素人の母が勢いだけで借りたかたい畑を鍬で耕していた。
無気力な心身は8月の太陽に焼かれ、なにも考えられなくなった。
望んではいなかったものの、結果的に、阿蘇での暮らしはわたしの人生に豊かな感性を残してくれた。
山から下りてくる澄んだ水、
近所の人がくれる野菜、
毎日温泉で出くわすシワシワで元気なお婆さんたち。
知るはずのなかったものばかりと出逢った。
「あぶなかった、知らずに終わるとこだった。」
ここでも思った。
海外だけじゃない、日本にもたくさん「知らない世界」があった。
・・・
海外を見たくてしょうがなかった自分。
日本にも海外に負けないほどの未知との遭遇があることを体感して、国内にも目が向くようになった。
GOKIGEN Nipponの旅であれば、観光では入り込めない「暮らし」の域までおじゃまさせてもらえる。
近い距離で話をしてもらえる。
その経験のなんと価値のあることか。
どんな風に生きたいか。
本当に大切にしたいものは何か。
今のわたしにはそれがまだわからない。
知らない世界をもっと覗いて、人と向き合って、自分のペースで見つけられたらと思う。
一先ずは、今日という一日を目一杯ごきげんに過ごしてみよう。
GOKIGEN Nippon 事務局スタッフ 成田 愛美